実家依存症の現代における背景・・・「嫁に出した」のは過去?

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実家依存症の現代における背景・・・「嫁に出した」のは過去?

日本における結婚の概念も
ここ何十年かでかなり変化しました。

 

かつて家系重視、家父長制度などの
古い男性中心といえる状態から
現在ではとても自由度が高まっています。

 

自由な結婚、というのはしかし
「結婚しない自由」や
「本来の家庭機能を疎かにする自由」も
生み出してしまった気がします。

 

また、かつての男性中心の世界を否定するあまり
逆に女性重視の傾向に
走っていまう人も多々見られます。

 

これらの背景をふまえつつ、
実家依存症の問題を考えていきましょう。

 

 

 

1.自立の難しさ

 

 

実家依存症の女性を
「団塊ジュニア世代」と
関連づける研究もあるようです。

 

この世代は高度経済成長時代、
あるいはその直後に生まれバブル時代で思春期を過ごし、
従来の女性としての考えや
家庭観も変化した人たちと考えられます。

 

また、バブルの後に訪れた不況により
「夫が安定した収入で、持ち家を持ち家族を養う」という
「標準世帯」の形も変化してきました。

 

「親へのパラサイト」などが問題にもなりました。

 

 

男性も女性も「完全に自立、独立」というのが
かつてなく難しい時代かもしれません。

 

 

このような変化の中で、
実家依存症が増えているというのは
ある意味当然と言えるかもしれません。

 

 

2.結婚観の変化

 

 

「嫁入り」の言葉が示す通り、
従来の考えとしては娘が結婚するということは
「相手の家に嫁ぐ」ことであり、娘の親は
大きな寂寥感を感じたものです。

 

その考えも変化してきたのかもしれません。

 

 

本来、家庭というものは「社会の一単位」としての
性質を持ちます。

 

結婚式は「これから社会の一つの仕組みとして
入っていく」儀式とも捉えられます。

 

 

ゆえに、結婚というのは綺麗ごとではなく
毎日の生活に追われ、数々の直面する問題に
取り組まなくてはなりません。

 

しかし、ここ何十年かは「結婚=恋愛関係の最高到達点」
としての側面ばかり強調され、
「生活・人生」よりは「幻想・ロマン」のイメージの方が
圧倒的な気がします。

 

 

ほとんどの場合、幻想は破壊されます。

 

しかしそこから本当の結婚生活、家庭のスタートとも言えます。

 

どういう人生を歩むにせよ、苦しいことばかりではありませんが
すべて楽しいことのみというのはあり得ないのです。

 

 

3.未熟な人格、偏った考え

 

 

上記の経済成長とも関連しますが、
「社会の成熟」というのは往々にして
「未熟な人格」を生み出します。

 

ずっと子供なままでいたい、という欲望が受け入れられる
社会にまで至った、と言えるかもしれません。

 

 

実家依存症の妻が
「私はずっと家にいる。家しかいない。
 あなたは外に出て、仕事をして充実している」
という意味の言葉を言う場合があります。

 

 

これは、回避依存症の夫が
「自分は外に出て苦労している。
 お前はずっと家にいて楽に過ごしている」
と言うのとほぼ「同義」です。

 

自分の基準でしか考えていないし、
相手の苦労を理解する努力もありません。

 

 

このような発想の男女は昔からいますが、
近年ある程度大人の年代でも増えてきた気がします。

 

 

4.まとめ

 

 

ここでは、実家依存症を社会の問題としての
側面から見てみましたが、
ここで結論が出るものではなく、
一つの見方として捉えておいてください。

 

依存症というものは
「自己責任」において解決するのが基本です。

 

とはいえ、時には多角的に考えてみることも必要です。

 

今の時代の「生きづらさ」というのは
私たちが多々感じるところですが、
あきらめず、一生懸命考えて、
前に歩かなければなりません。




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