アルコール依存症と「酒社会」 〜日本にとって酒はどういう存在なのか〜

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アルコール依存症と「酒社会」 〜日本にとって酒はどういう存在なのか〜

 

日本のお酒に対する扱いには独特のものがあります。
もちろん酒は飲むもので飲まれるものではない、のですが
「いつのまにか飲まれる」人が非常に多いのではないでしょうか?

 

アルコール依存症の問題とも密接に関連する
いくつかの問題を考えていきます。

 

 

アルコールと日本の社会

 

アルコール依存症

日本は、いわゆる「酒社会」です。
社会に出ると、新人歓迎会に始まって
慰安会、納め会、忘年会、新年会・・・といくらでも
お酒を飲む機会が増えます。

 

また、会社内の人間関係、時には重要な仕事の案件が
酒の席で左右されることもあります。

 

 

「酒社会の文化の国」というのであれば、それはそれでいいかと思います。
ただ、お酒本来が人生への彩り、体調も精神も高揚、人間関係の潤滑・・・
こういったプラスの面は必ずしも日本ではうまく生かされていない気がします。

 

また、特に男性は、「酒が飲めないと一人前の社会人ではない」というような
半ば強制されることが今でも多く、飲めない人間が肩身が狭い思いをすることも
あります。

 

 

酒は訓練するもの、という誤解

 

アルコール依存症

アルコールを飲んだ時、体内でアセトアルデヒドという物質が作られますが、
これをよく分解できる酵素を持った人がいわゆる「お酒に強い人」です。
この酵素が働くかどうか、は生まれつきの体質なので
飲めない人はどれだけお酒を飲む訓練をしても
一生いわゆる「下戸」で飲めることはありません。
このように全くアルコールを受け付けない人は
日本人の1割いると言われています。

 

こういう人に無理やり飲ませると急性アルコール中毒の危険性があります

 

これは結局、「生まれ持った酵素の違い」だけです。血液型の違いみたいなものです。
人間的な優劣は何ひとつありません。「A型に生まれたからB型より人間が劣っている」
なんて理論は存在しません。

 

 

 

非常識すぎる「一気飲み」

 

アルコール依存症

よく大学生のコンパなどでウイスキーとビールなどを混ぜ合わせたものを
一気飲みして、急性アルコール中毒で救急車で運ばれる、最悪の場合は死亡する、
といった事件があります。

 

一気飲みなどというものは、「お酒を楽しむ」どころか、お酒に敬意を払わず、
その場その場の刹那的な盛り上がりしか過ぎないと思います。

 

これで命を落とす、などというのはあまりにもばかげています。
はっきり言って・・・・先進国の人間のやることでしょうか。

 

 

ある縁から、「大学のコンパで急性アルコール中毒になり死亡した学生の
お母さん」の話を聞く機会がありました。それはもう悲惨です。
自分の子供が汚物まみれのビニールに包まれて家に運ばれてきた時の気持ち、
なぜ子供は死ななければならなかったのかという疑問・・・・
苦しみはおそらく一生続くでしょう。

 

私たちはついつい、こういう事件を聞くと「ああまたそんな事件があったのか」「何人死亡者が出たんだ」と客観的?な見方をしてしまいます。

 

しかし人間1人が死ぬ、というのはとても大変なことなのです。

 

事故だろうと、事件に巻き込まれようと、災害だろうと、残された人の
苦悩は同じなのです。

 

 

 

 

これから期待できる取組み

 

アルコール依存症

上記のような、「日本の問題点」というものに対して
各界でいろいろな対策が取られています。

 

 

メーカーの取り組み
・・キリン・アサヒ・サッポロなどの主要酒造会社が
一気飲みの危険性を公式HPで訴えています。

 

政府の取り組み
・・・「アルコール健康障害対策基本法」が2013年に公布されました。
これは、依存症を含む「不適切な飲酒」に対して、国や地方、さらに
医療・司法・警察など多方面からの介入の促進が期待できます。

 

アルコールハラスメント
・・・法的には、飲酒を強要する行為に対して、強要罪・傷害罪、
また飲酒で死亡した場合は過失致死罪などの適用もあります。
ただいわゆる「ハラスメント」はどこを基準にするか、人によって
対応が変わるなど難しい問題もあります。

 

 

.まとめ

 

お酒は古くから人間と共にありました。
正しい飲み方をすればいろいろ人生にプラスもあるでしょう。

 

お酒自体は悪者でも何でもありません。

 

すべて飲む人の責任なのです。




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