離脱・否認  〜アルコール依存者の心理や行動など〜

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アルコール依存者の心理や行動など 離脱・否認とは?

 

 

アルコール依存者には特有の心理や行動が存在します。
「何も考えず、しょっちゅう酔っ払って人に迷惑ばかりかけている」
あたりが一般のイメージかもしれません。
しかし、内心はとても深い闇を抱えているのです。

 

 

 

アルコール依存症の耐性、離脱症状とは?

 

アルコール依存症

アルコール依存症が始まるとどんな状態になるのでしょうか。

 

まず、飲んでも飲んでも酔っぱらう満足感が得られず、どんどん
飲酒量は増えていきます。
これを「アルコールに対する耐性の強化」と言います。
(しかし依存症が進行すると、今度は少しの酒量でも酔うようになりますが)

 

そして、コントロール障害が起こり飲み過ぎを抑える能力を
完全に無くします。

 

 

アルコールを飲まないと様々な離脱症状(禁断症状)が発生します。
この症状は2種類あります。

 

早期離脱症状・・・手の震え、発汗、痙攣、不眠、嘔吐など
  これは断酒後数時間で発症、数日続きます。
後期離脱症状・・・幻覚、見当識障害、興奮等です。
こちらは、断酒後数日で発症、3日くらいで消失(長く続くこともあります)

 

この状態にまでなると、「アルコールを一切やめる」
「一生飲んで問題のある人生を送る」の2択となります。

 

 

アルコール依存症の否認とは?

 

アルコール依存症

 

否認は「自分がアルコール依存症と認めない」態度です。

 

これには何種類かありますが、
「自分は酒さえ飲まなければ、何の問題もない」(全ては酒のせいにする)、
「酒なんかすぐにやめることができる」(自身の根拠なき自信)、
「だいたい社会人なんてこんなものだ」(無理に社会常識に一般化する)
などがあります。

 

これはギャンブル依存症などでも共通する心理にも思えます。
「自己愛心理」とでも言えるのではないでしょうか。

 

しかし、問題の原因をすべてお酒に押し付けても何も解決しません。

 

 

アルコール依存症の心理・行動への影響

 

アルコール依存症

 

アルコール依存症者はどういう心理で行動しているのでしょうか。

 

これには下記のようなものがあります。

 

 

・誰にもわかってもらえない 孤独感・劣等感
 ・・・態度は偉そうにしていても、内心はとても不安を感じています。

 

・他人を攻撃する
 ・・・他人のあら捜しを始め、下手すると暴力にまで発展します。

 

・嘘が多くなる
 ・・・「実は今日は飲んでない」など、あからさまな嘘をつきます。

 

・酒を飲むことで頭が一杯になる
 ・・・起きてから寝るまでです。仕事中も関係ありません。

 

・嫉妬・妄想に悩まされる
 ・・・他者への責任転嫁と言えるかもしれません。

 

ひとつ重要な点ですが、おおよその依存症者は「回復を願っている」のです。
どれだけ行動が無茶苦茶で偉そうでも、内心は反省し、自己嫌悪に陥っています。
しかし、自らでは全く出口を見つけることができないのです。

 

 

まとめ

 

アルコール依存症

問題は酒ではなく、すべて「自分の心の中にある」と認めなければいけません。

 

また、この社会に問題があるとしても、おおよその人は
その中で自分の生きる道を見つけていくしかないのです。

 

人間はそうそうすぐに強くなれるわけではありません。
むしろみんな弱いのです。

 

その「弱さ」をどれだけ見つめどう付き合っていくのか?
真剣に向き合うことが依存症を治す大きな一歩です。

 



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